[米を炊く 009] ゆうさんの話

暮らしの中で淡々と繰り返している
「米を炊く」ということ。


私にとっては、当たり前のように
そこにある行為だけれど、
みんな、どんな風に、どんな時に、
米を炊いているのだろう。
そして、その周りにはどんな日々が
続いているのだろう。


身近な人たちに、
それぞれの「米を炊く」と、
その周りにある日々のことを聞きました。


今日は、
ゆうさんから聞いたお話です。

ゆうさん

宮崎県出身、千葉県在住。管理栄養士として会社で勤務し、企業へのレシピ提案などをしつつ、フードスタイリストの勉強もしている。ラジオや映画や本に詳しくて、会うと最近はまっているものを聞きたくなる人。


ゆうさんの米の炊き方
1. 米を研ぐ
2.20分浸水して、20分ザルにあげる(冬場は浸水をもう少し長めにすることもある)
3.適量の水を入れて炊飯器で炊く


 平日は忙しいから土日に1週間分の朝食と昼食用のお米をまとめて炊いて冷凍してる。炊いてすぐに包んで冷凍。お米を研ぐときは、1回目に注いだ水はすぐに捨てて、2回目からしっかり研ぐ。20分浸水をした後に、ザルにあげて20分置いてから、目盛り通りの水を入れて炊いてる。会社での仕事とは別にフードスタイリストの先生のお手伝いもしていて、これはその先生に教えてもらった炊き方なんだけど、やっぱりちゃんと洗って浸水して炊くと美味しいなと思うね。気分によってはちょっと水を減らして梅酢を入れて炊くこともある。3合のお米に対して梅酢を大さじ1。ほんのり味がついて美味しいよ。


心が健康なとき

 一人暮らしだとどこまでもだらしなくできるから、食生活が乱れちゃう時があるんだよね。「なんか元気でないなー」と思って生活を振り返ると、家事があまり出来ていなくて、ご飯も適当に食べていたことに気づくことがある。そういう時にお米が恋しくなるかな。向き合うっていうと大袈裟だけど、ごはんの為に時間を取って、しっかり食べようと思うときに食べたくなるのはお米な気がする。きちんと時間を取れないときや、しっかり食べる余裕の無いときは、パンや麺に頼っているから、お米は自分の心が健康なときに食べているのかもしれないなあ。


ふんわり、きゅっきゅっ

先生のところで韓国からのゲストをもてなす食事会の準備を手伝いに行ったとき、私がぎゅっぎゅっと三角のおにぎりを握ってたら、「そんなに力を入れちゃ駄目だよ。ふんわり、きゅっきゅっでいいんだよ」って言われたんだよね。先生のおにぎりはふんわりしていて、一般的なおにぎりに比べると形はそんなに綺麗じゃないんだけど、口に入れるとほろっとしてすごく美味しかった。ゲストの皆さんも、「なんでこんなに美味しいんだ」ってびっくりしてた。私もこれからは綺麗な三角にこだわらずに、ふわっと握って出したいなと思った。癖でぎゅっとしたくなるけど(笑)先生からは、全然知らなかったことを教えて貰えて楽しい。それに、先生はいつでも好奇心旺盛で私がやっていることに対しても「あ、そういうやり方もあるんだね」と言って素直に吸収するからすごい。珍しい食材を使わなくても、美味しそうな食卓の演出が出来るから素敵なんだよね。正直、そのセンスはどう磨けばいいのかわからないけど、いつか私もフードスタイリストになりたいから、とりあえず今は近くでいろいろ見てみようと頑張ってる。


どっちでもいい

 坂口恭平さんの「cook」を最近読み直して、改めて良いなと思った。料理は作業だけど、心の栄養になるよなと思ったんだよね。毎日の食事の写真とそれに添えられた文字を見て、こういう一個一個の積み重ねが大事なんだろうなーと。盛り付けも味があって美味しそうだし、手書きの文字も良くて、なんか元気がでた。私もこういう本を書いてみたいな。

 ラジオも変わらずよく聞いてるよ。最近は特にover the sun※で元気を貰ってるなー。毎週金曜日の配信で、スーさんが番組冒頭に「よくぞ金曜日までたどり着きました」って言ってくれるのいいよね。スーさんと美香さんの掛け合いが面白いし、たまに泣ける回もあって、いろんなリスナーさんがいるのも安心できる。スーさんと美香さんや多様なリスナーさんの声を聞いてると、いくつになっても楽しそうでいいなと思えるんだよね。年を経ると、私はそっち側には行けなかったなと思うようなことがはっきりと出てくると思う。例えば、結婚するとかしないとか。でも、どっちでもいいんだろうな。いろんな道をいくリスナーさん達が「こっち側も楽しかったよ」って教えてくれるから勇気づけられる。

※ジェーン・スーさんと堀井美香さんがパーソナリティを務めるラジオ番組。Pod castで配信されている。

つながる米屋コメタク

「私たちの豊かさとは何か」という問いに対して、 「米を炊くこと」という仮説を立てて、 米を炊いています。 暮らしの中に「好き」と「隙」を増やしていきたいです。

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